導入|建設業許可、なぜ取れない事業者が多いのか
建設業の社長さん、こんな状況ありませんか?
- 「請負金額500万円超の工事を任せたいけど、許可がないと受注できない」
- 「自社で申請しようとしたけど、書類の数と複雑さに挫折した」
- 「行政書士に頼んだら、何度も追加書類を求められて時間がかかっている」
- 「初めての申請で、何から手をつければいいか正直わからない」
建設業許可は、建設業を営む全事業者にとって事業拡大の必須通過点です。請負金額500万円超(建築一式工事は1,500万円超)の工事を請け負うには、原則として建設業許可が必要になります。
しかし、5つの要件と30種類前後の書類を揃える必要があり、自社申請で挫折する事業者も少なくありません。
結論から言うと、建設業許可は5要件を正しく理解して必要書類を揃えれば、必ず取れる許可です。本記事では、5要件のすべてと書類30個の完全リストを、実務で使える形で整理しました
本記事は保存版として、申請準備のチェックリストにご活用ください。
建設業許可の5要件 全体マップ

建設業許可を取得するには、以下の5要件すべてを満たす必要があります。
| # | 要件 | 概要 |
|---|---|---|
| ① | 経営業務の管理責任者(経管) | 建設業の経営経験5年以上の役員・個人事業主が在籍 |
| ② | 専任技術者 | 営業所ごとに、許可業種の技術者が常勤 |
| ③ | 誠実性 | 不正・不誠実な行為をする恐れがない |
| ④ | 財産的基礎・金銭的信用 | 一定額以上の自己資本または資金調達能力 |
| ⑤ | 欠格要件に該当しないこと | 役員等が法定の欠格事由に該当しない |
5つだけ?意外とシンプルなんですね
項目数はシンプルですが、それぞれの要件を証明する書類が30種類前後必要になります。1つでも欠けると申請が受理されません
要件①:経営業務の管理責任者(経管)

何を満たす必要があるか
- 建設業の経営業務に携わった経験が通算5年以上ある人物
- その人物が法人なら常勤役員、個人事業主なら本人として在籍していること
認められる経験
- 建設業を営む法人の役員(取締役・執行役・委員等)
- 個人事業主としての建設業経営
- 建設業を営む組織の支店長・営業所長等の準ずる立場(一定要件あり)
失敗パターン
- 「経営経験5年は足りるが、役員登記が遅れていて期間カウント不足」
- 「他業種の経営経験を建設業として申請してしまった」
- 「経管の常勤性を証明する書類(健康保険被保険者証)が不足」
経管は許可申請で最も多くの事業者がつまずく要件です。経験を証明する書類(履歴事項全部証明書・確定申告書控・工事契約書等)の保存が長期間必要になります
要件②:専任技術者
何を満たす必要があるか
営業所ごとに、許可を受ける建設業種に対応した国家資格保有者または実務経験者を専任で配置する必要があります。
認められる資格・経験
- 一級・二級建築士、一級・二級施工管理技士などの国家資格保有者
- 高等学校卒業+指定学科+実務経験5年以上
- 大学・高等専門学校卒業+指定学科+実務経験3年以上
- 実務経験10年以上(資格・学歴問わず)
失敗パターン
- 「他社と兼務している技術者を専任として申請」→ 専任性違反
- 「資格証の業種が許可業種と一致しない」→ 業種ミスマッチ
- 「実務経験のみで申請したが証明書類が不足」
あれ、自社で申請するのって本当に大変そう…
専任技術者の選定は資格と業種のマッチング、配置の専任性、実務経験証明など、論点が多いんです
要件③:誠実性
何を満たす必要があるか
法人・役員・個人事業主が、請負契約に関して不正または不誠実な行為を行う恐れがないことが求められます。
確認される対象
- 法人とその役員等(取締役・監査役・執行役・100分の5以上の株主など)
- 個人事業主とその使用人
- 一定の使用人(営業所長・支店長など)
主な不適格事由
- 詐欺・脅迫・横領などの刑事罰歴
- 建築士法・宅建業法等での免許取消歴
- 暴力団員等との関係
失敗パターン
- 役員に過去の業法違反歴があり、誠実性で不可となった
- 過去の刑事罰歴を申請書に記載漏れ → 虚偽申請扱いに
要件④:財産的基礎・金銭的信用
一般建設業と特定建設業で基準が異なる
一般建設業の場合:
- 自己資本500万円以上
- または500万円以上の資金調達能力(残高証明書で証明)
- または直前5年間に建設業許可を継続して受けていた実績
特定建設業の場合(4要件すべて必要):
- 欠損比率が資本金の20%を超えていない
- 流動比率75%以上
- 資本金2,000万円以上
- 自己資本4,000万円以上
証明書類
- 直近の決算書(貸借対照表)
- 残高証明書(金融機関発行・1ヶ月以内)
- 創業まもない場合は資本金で証明(登記簿謄本)
特定建設業は元請として4,000万円以上の下請契約を結ぶ場合に必要な区分。一般建設業の500万円ハードルですが、新規創業の事業者にとっては最初の壁になりがちです
要件⑤:欠格要件に該当しないこと
主な欠格事由
- 成年被後見人・被保佐人または破産者で復権を得ない者
- 不正手段による許可取消から5年経過していない者
- 禁固以上の刑の執行を終え、または執行を受けることがなくなった日から5年経過していない者
- 暴力団員等またはこれらと密接な関係を有する者
- 建設業法等の法令違反による罰金刑から5年経過していない者
- 心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
確認される対象
- 法人の役員等・支配人・100分の5以上の株主
- 個人事業主本人・支配人
失敗パターン
- 過去の交通違反による罰金刑が欠格要件に該当することを見落としていた
- 役員の親族関係から暴力団との関係性を疑われ追加調査が入った
- 役員変更後、新役員の欠格事由確認を怠った
必要書類30個 完全チェックリスト

実務で使える順に整理しました。自社申請の準備チェックリストとしてご活用ください。
【共通書類】
- 1. 建設業許可申請書(様式第1号)
- 2. 役員等の一覧表(様式第1号別紙1)
- 3. 営業所一覧表(様式第1号別紙2)
- 4. 専任技術者一覧表(様式第1号別紙4)
- 5. 工事経歴書(様式第2号)
- 6. 直前3年の各事業年度における工事施工金額(様式第3号)
- 7. 使用人数(様式第4号)
【経営業務管理責任者関係】
- 8. 経営業務の管理責任者証明書(様式第7号)
- 9. 経管の略歴書(様式第7号別紙)
- 10. 経管の常勤性確認書類(健康保険被保険者証コピー等)
- 11. 経管の経験を証明する書類(履歴事項全部証明書、確定申告書控、契約書等)
【専任技術者関係】
- 12. 専任技術者証明書(様式第8号)
- 13. 専技の資格証明書(合格証、免許証コピー等)
- 14. 専技の実務経験証明書(資格非保有時、様式第9号)
- 15. 専技の常勤性確認書類
【誠実性関係】
- 16. 誓約書(様式第6号)
- 17. 役員等の住民票(市区町村発行・3ヶ月以内)
【財産的基礎関係】
- 18. 直前1期分の財務諸表(様式第15〜17号)
- 19. 残高証明書(金融機関発行・申請日前1ヶ月以内)
- 20. 資本金証明(新規創業時:登記簿謄本)
【欠格要件関係】
- 21. 役員等氏名一覧
- 22. 役員等の身分証明書(本籍地市区町村発行・3ヶ月以内)
- 23. 役員等の登記されていないことの証明書(法務局発行・3ヶ月以内)
【その他】
- 24. 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書・3ヶ月以内)
- 25. 定款(最新版)
- 26. 営業所の写真(外観・内観)
- 27. 営業所の使用権原書類(賃貸契約書・建物登記簿等)
- 28. 印鑑証明書(法人・3ヶ月以内)
- 29. 国家資格者・監理技術者一覧表(様式第11号の2)
- 30. 健康保険等加入状況(様式第7号の3)
うわ、本当に30個ある…!しかも市区町村・法務局・金融機関・社内とあちこちから集めるんですね
これだけ書類があるからこそ、行政書士に依頼する価値があります。自社で揃えると、書類の取得だけで2〜3週間かかるケースも珍しくありません
申請フロー|全6ステップ

| # | ステップ | 期間目安 | 担当 |
|---|---|---|---|
| ① | 書類準備 | 2〜4週間 | 自社/行政書士 |
| ② | 管轄行政庁へ提出 | 1日 | 自社/行政書士 |
| ③ | 形式審査・受理 | 1〜3日 | 行政庁 |
| ④ | 実体審査 | 30〜90日 | 行政庁 |
| ⑤ | 許可証受領 | 1日 | 自社 |
| ⑥ | 事業開始 | 即日 | 自社 |
提出先
- 大臣許可:複数都道府県に営業所を持つ場合 → 国土交通省地方整備局
- 知事許可:1都道府県内のみ → 各都道府県の建設業許可担当部署
審査期間は申請する都道府県・国土交通省ごとに異なります。繁忙期(4月・10月)は審査が混み合うため、余裕を持ったスケジュールがおすすめです
よくある却下理由 5つ

実務で多い却下・補正パターンを整理しました。
① 経管の経験証明が不足
- 履歴事項全部証明書のみで5年経験を証明しようとして却下
- → 確定申告書控、工事契約書、注文書など複数の書類で補強する
② 専任技術者の常勤性が証明できない
- 健康保険被保険者証で営業所所在地と一致しない
- → 健康保険・厚生年金等の事業所所在地を申請前に確認する
③ 残高証明書の有効期限切れ
- 残高証明書は発行から1ヶ月以内のみ有効
- → 書類提出予定日の直前に取得する
④ 役員等の身分証明書を本籍地以外で取得
- 身分証明書は本籍地の市区町村でしか発行されない
- → 役員全員の本籍地を事前確認する
⑤ 営業所の使用権原書類が不足
- 賃貸契約書の貸主と建物登記簿の所有者が異なる
- → 転貸借契約書等の補完書類が必要なケースあり
却下されると、また書類取り直しで時間ロスですね…
却下回避には、申請前のセルフチェックが何より重要です。30個のチェックリストを使って、提出前に1つずつ確認しましょう
よくあるご質問(FAQ)
Q1建設業許可は何日で取れますか?
Q21人親方でも建設業許可は取れますか?
Q3一般建設業と特定建設業の違いは?
Q4自社で申請するか、行政書士に依頼するか、どちらがいい?
Q5許可取得後の更新は何年ごと?
Q6業種追加は途中でできますか?
Q7知事許可と大臣許可、どちらを選ぶべきですか?
Q8行政書士に依頼した場合の費用相場は?
Q9役員変更時に追加申請は必要ですか?
申請後の管理|許可維持に必要な3つの手続き
許可取得はゴールではなく、継続的な管理体制の構築が事業継続の鍵となります。
① 5年ごとの更新申請
- 有効期間満了の30日前までに更新申請を提出
- 更新時の必要書類:直近5年分の決算書・事業年度終了届の控え等
- 更新を怠ると許可失効→新規申請からやり直しになります
② 毎事業年度後の決算変更届
- 決算終了後4ヶ月以内に提出
- 工事経歴書・直近3年の工事施工金額・財務諸表等を添付
- 提出を怠ると更新申請が受理されないリスクあり
③ 変更事項の届出
- 商号・所在地・役員・経管・専技等の変更時は速やかに届出
- 変更内容により提出期限が異なる(30日以内〜2週間以内)
- 営業所の新設・廃止も届出対象
許可取得後の管理を怠って失効するケース、実は少なくありません。
決算変更届は毎年・更新は5年ごと・変更届はその都度——この3つを忘れずに
まとめ|許可取得は事業の出発点

建設業許可は、5要件を正しく理解し、30個の書類を順序立てて揃えれば、必ず取得できる許可です。
ただし、書類の取得だけで2〜3週間、申請から許可証受領まで2〜4ヶ月かかるのが一般的。事業計画から逆算した準備スケジュールが成功の鍵となります。
本記事のチェックリストを活用し、確実な許可取得を目指してください。
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