「ダクトに種類があるのは分かったけど、何がどう違うのか分からない」 「業者が『これはスパイラルで』『あちらはグラスウール内張で』と説明してきたが、選び方の基準が掴めない」
ダクトの種類が多すぎて、何を選べばいいか分からないんです…
ダクトの種類は用途×工法の二軸で整理すると一気に理解できる。今日は7用途×5工法の組み合わせを実務的に整理する
ダクト工事の種類は、用途別に7種類・工法別に5種類の二軸で分類されます。両方の軸を理解しないと、見積もりの妥当性判断・設計指示・業者選びで失敗しやすくなります。
本記事は、ダクトの用途別7分類(空調・換気・排気・厨房・排煙・防火・産業)と工法別5分類(角・丸・グラスウール・ステンレス・フレキシブル)、建物別の組み合わせ事例までを、保存版の分類マニュアルとして整理しました。
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ダクトの分類軸|用途×工法の2軸で考える

ダクトは用途と工法の2軸で分類されます。
2軸って具体的にどういうことですか?
用途=何のために空気を運ぶか(空調・換気・排気・厨房・排煙・防火・産業)。工法=どんな材料・形状で作るか(角・丸・グラスウール内張・ステンレス・フレキシブル)。この2軸で全ダクトが整理できる
分類マトリクス
| 用途 \ 工法 | 角ダクト | 丸ダクト | グラスウール | ステンレス | フレキシブル |
|---|---|---|---|---|---|
| 空調 | ◎ | ○ | ○ | △ | ○(末端) |
| 換気 | ◎ | ○ | △ | △ | ○(末端) |
| 排気 | ○ | ◎ | × | △ | ○(末端) |
| 厨房 | × | × | × | ◎ | × |
| 排煙 | ◎ | △ | × | ○ | × |
| 防火 | ○ | × | × | ○ | × |
| 産業 | △ | △ | × | ◎ | × |
→ 組み合わせは限定的。建物用途で工法が概ね決まる構造です。
用途別ダクト 7種類の詳細

① 空調ダクト
エアコン・セントラル空調から冷暖気を各室に運ぶダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | 角ダクト・丸ダクト・グラスウール内張 |
| 材料 | 亜鉛鉄板・スパイラル管 |
| 圧力区分 | 低圧・高圧 |
| 法令 | 建築基準法 |
| 主な建物 | オフィス・商業施設・ホテル |
② 換気ダクト
室内の汚れた空気を排出し、新鮮空気を取り入れるダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | 角ダクト・丸ダクト |
| 材料 | 亜鉛鉄板・塩ビ管 |
| 法令 | 建築基準法(24時間換気義務) |
| 主な建物 | オフィス・住宅・商業施設 |
③ 排気ダクト
トイレ・浴室・湯沸室など、特定室の臭気・湿気を強制排出するダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | 丸ダクト・角ダクト |
| 材料 | 亜鉛鉄板・塩ビ管 |
| 法令 | 建築基準法・消防法 |
| 主な建物 | 全建物のトイレ・浴室・湯沸室 |
④ 厨房排気ダクト
飲食店・給食施設の熱・油煙・湯気を排出するダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | ステンレスダクト |
| 材料 | ステンレス鋼板(SUS304) |
| 法令 | 消防法(油煙除去・防火対策必須) |
| 主な建物 | 飲食店・社員食堂・給食施設 |
⑤ 排煙ダクト
火災発生時に煙を屋外へ排出する防災用ダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | 角ダクト(耐熱仕様)・ステンレス |
| 材料 | 亜鉛鉄板(耐熱仕様)・SUS |
| 法令 | 建築基準法・消防法(設置基準厳格) |
| 主な建物 | 中規模以上の全用途建物 |
⑥ 防火ダクト
火災時の延焼防止と区画維持を目的とした耐火被覆ダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | 耐火被覆+角ダクト |
| 材料 | 耐火被覆材+亜鉛鉄板 |
| 法令 | 建築基準法(耐火性能基準) |
| 主な建物 | 防火区画貫通部・配管シャフト内 |
⑦ 送風ダクト(産業用)
工場の機械換気・粉塵排出・特殊ガス排気用ダクトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な工法 | ステンレス・特殊コーティング鋼板 |
| 材料 | SUS304/316・特殊コーティング |
| 法令 | 労働安全衛生法・建築基準法 |
| 主な建物 | 工場・倉庫・実験施設・クリーンルーム |
工法別ダクト 5種類の詳細

① 角ダクト(亜鉛鉄板)
最も標準的な工法。亜鉛鉄板を四角形に折り曲げ、フランジで接続します。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 大風量対応 | 設置スペース大 |
| 低価格 | 気密性中 |
| 施工性良好 | デザイン性低 |
| 大型施設に最適 | 露出設置非推奨 |
主な用途:オフィス・商業施設の空調・換気
② 丸ダクト(スパイラル管)
円筒形のダクト。スパイラル管が主流です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 気密性高 | 大風量で大径化 |
| 施工性良好 | 大型施設で限界 |
| 露出デザイン対応 | 接続部の調整必要 |
| 中小規模で効率的 | – |
主な用途:商業施設の露出空調・住宅換気
③ グラスウール内張ダクト
亜鉛鉄板の内側にグラスウールを貼り付け、消音・断熱性能を持たせたダクトです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 消音性能高 | グラスウール劣化リスク |
| 断熱性能高 | 清掃困難 |
| 結露防止 | 高価格(1.5-2倍) |
| 録音スタジオ対応 | 経年劣化 |
主な用途:ホール・会議室・録音スタジオ
④ ステンレスダクト
ステンレス鋼板を使用したダクト。耐熱・耐食性が高いです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 耐熱・耐食 | 高価格(3-5倍) |
| 耐酸性 | 加工難度高 |
| 長寿命(25-40年) | 重量増 |
| 厨房・産業用必須 | – |
主な用途:厨房排気・工場排気・防食ダクト
⑤ フレキシブルダクト
柔軟に曲げられる蛇腹状のダクトです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 設置自由度高 | 長距離不可 |
| 短距離分岐に最適 | 耐久性低 |
| 安価 | 気密性中 |
| 末端接続向き | 大風量NG |
主な用途:末端接続・短距離分岐・住宅換気
建物用途別の組み合わせ事例
飲食店(30席居酒屋)の場合
| 用途 | 工法 |
|---|---|
| 厨房排気 | ステンレスダクト |
| 客席換気 | 角ダクト(亜鉛) |
| トイレ排気 | 丸ダクト(塩ビ) |
| 客席空調 | 角ダクト(グラスウール内張・消音重視) |
中規模オフィス(500㎡)の場合
| 用途 | 工法 |
|---|---|
| 空調 | 角ダクト+グラスウール内張 |
| 換気 | 角ダクト(亜鉛) |
| トイレ排気 | 丸ダクト(亜鉛スパイラル) |
| 排煙 | 角ダクト(耐熱) |
大型商業施設の場合
| 用途 | 工法 |
|---|---|
| 空調 | 角ダクト(メイン)+丸ダクト(露出) |
| 換気 | 角ダクト |
| トイレ排気 | 丸ダクト |
| 厨房(テナント) | ステンレスダクト |
| 排煙 | 角ダクト(耐熱) |
| 防火区画貫通 | 耐火被覆+角ダクト |
ダクトの種類選びでよくある失敗3パターン

失敗①:材料グレード過剰
「ステンレスのほうが長持ち」と業者に勧められ、亜鉛で十分な箇所にステンレスを採用して数百万円多く支払う事故。
対策:用途別マトリクスを確認・必要な箇所だけステンレスを採用。
失敗②:消音設計不足
会議室・録音スタジオで消音対策不足で完成後にクレーム発生。
対策:用途に応じてグラスウール内張を設計段階で組み込む。
失敗③:清掃性無視
天井裏の狭い箇所に清掃困難なグラスウール内張を採用し、ビル管法対応で困る事故。
対策:定期清掃対象建物では清掃容易な工法を選ぶ。
ダクトの種類に関するよくある質問Q&A 8項目
Q1角ダクトと丸ダクト、どっちがいい?
Q2グラスウール内張は寿命が短い?
Q3ステンレスは何年もつ?
Q4フレキシブルダクトは住宅で使える?
Q5複数の工法を組み合わせて使える?
Q6途中で工法を変更できる?
Q7DIYで設置できるダクトは?
Q8素材の組み合わせで注意点は?
まとめ|ダクトは用途×工法の2軸で選ぶ
ダクトの種類は用途別7種類×工法別5種類の組み合わせで全てが整理できます。
これで業者の説明が理解できそうです
2軸の整理+建物用途別の組み合わせパターンを頭に入れておけば、業者との打ち合わせがスムーズになる。本記事のマトリクスを保存版として活用してほしい
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*2026年5月 更新*
