「公共工事に参入したいが、経審の点数が低くてランクが上がらない」 「W点・X点・Y点・Z点という用語は聞くが、優先順位がわからない」 「来年度の経審で点数を上げる方法を体系的に知りたい」
経審の点数アップって、どこから手をつければいいんでしょうか…
経審は5つの評価項目(X1/X2/Y/Z/W)×加点戦略の優先順位を理解すれば、確実に点数を上げられる。今日は項目別の攻略法と書類30個を整理する
経営事項審査(経審)は、公共工事の入札参加に必須の建設業者格付け制度です。総合評定値(P点)が高いほど入札参加可能ランクが上がり、大型工事の受注機会が劇的に増えます。
しかし、5つの評価項目それぞれに加点・減点ルールが複雑に絡み合い、攻略の優先順位を間違えると数百万円のコストをかけても1-2点しか上がらない事態が発生します。
本記事は、経営事項審査の5評価項目(X1/X2/Y/Z/W)の攻略法・加点戦略の優先順位(コスパランキング)・W点3点セット+21点・CCUS加点5点・防災協定の威力・書類30個チェックリスト・失敗パターンまでを、保存版の実務マニュアルとして整理しました。
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経営事項審査の全体像|5つの評価項目とP点の構造

経営事項審査の総合評定値(P点)は、5つの評価項目をウェイト計算して算出されます。
P点って、どうやって計算されるんですか?
P点 = X1×0.25 + X2×0.15 + Y×0.20 + Z×0.25 + W×0.15の合計。各項目のウェイトを理解しないと、何を伸ばせば点数が上がるかわからない
5評価項目の構造
| 項目 | 内容 | ウェイト |
|---|---|---|
| X1 | 完成工事高(売上) | 0.25(最大) |
| X2 | 自己資本額・利益額 | 0.15 |
| Y | 経営状況分析 | 0.20 |
| Z | 技術職員・元請完成工事高 | 0.25(最大) |
| W | その他社会性等 | 0.15 |
→ X1・Zが各25%で最大ウェイト。攻略はこの2項目から始めるのが基本。
P点と入札ランクの関係
| P点 | 一般的ランク | 受注金額上限目安 |
|---|---|---|
| 1,300以上 | 特A | 〜数十億円 |
| 1,100〜1,300 | A | 〜数億円 |
| 900〜1,100 | B | 〜1億円 |
| 700〜900 | C | 〜5,000万円 |
| 700未満 | D | 〜2,500万円 |
※ 自治体・工事種類で基準は異なります。
【X1】完成工事高|2年平均 vs 3年平均の選び方
X1点は完成工事高(売上)で評価されます。ウェイト0.25で最大。
評価方法
- 直前2年平均 or 3年平均 を選択可能
- 売上が伸びている → 2年平均(直近年度の重み大)
- 売上が下がっている → 3年平均(過去の高値を使う)
完工高 振替テクニック
許可業種をまたいで完工高を振り替えられます。
- 例:「建築一式工事」の完工高の一部を「とび・土工工事」に振替
- 業種別のX1点を最適化
- ただし振替には継続性ルールあり(一度振り替えたら戻せない)
完工高を業種間で振り替えるってどういうこと?
1工事が複数業種にまたがる場合、どの業種に計上するかで業種別X1点が変わる。戦略的に振り替えて、入札参加したい業種のP点を上げる
【X2】自己資本・利益|基準決算 vs 2期平均
X2点は自己資本額と平均利益額で評価されます。
評価方法
- 自己資本額:基準決算 or 2期平均
- 平均利益額:2期平均(営業利益+減価償却費)
X2点を上げるコツ
- 増資:自己資本を増やす
- 利益剰余金の積み上げ:内部留保強化
- 減価償却費:節税効果と評価項目の両立
【Y】経営状況分析|8指標で評価
Y点は経営状況分析(外部分析機関による評価)です。
主な8指標
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| 純支払利息比率 | 売上に対する利息支払比率 |
| 負債回転期間 | 売上÷負債 |
| 総資本売上総利益率 | 粗利率 |
| 売上高経常利益率 | 経常利益率 |
| 自己資本対固定資産比率 | 自己資本/固定資産 |
| 自己資本比率 | 自己資本/総資産 |
| 営業キャッシュフロー | 営業活動の現金収支 |
| 利益剰余金 | 内部留保 |
Y点改善のポイント
- 借入金削減で純支払利息比率改善
- 利益剰余金積み上げで自己資本比率向上
- 不要資産処分で総資本回転率改善
【Z】技術職員・元請完成工事高|加点漏れチェック
Z点は技術職員の数と元請完成工事高で評価されます。ウェイト0.25で最大。
技術職員加点ルール
| 資格・経験 | 加点 |
|---|---|
| 1級国家資格者(建築士・施工管理技士等) | 5点/人 |
| 2級国家資格者 | 2点/人 |
| 監理技術者講習修了者 | 1点加算 |
| 基幹技能者 | 3点/人 |
| 登録基幹技能者 | 3点/人 |
Z点アップの定番施策
1. 既存社員の資格取得支援:1級取得で1人5点 2. 監理技術者講習の修了:既存1級者全員に受講させる(+1点/人) 3. 経験者採用:1級保有者の中途採用 4. 基幹技能者育成:CCUS能力評価レベル3-4と連携
【W】社会性等|建退共・退職金・労災の3点セット +21点

W点は社会性等の評価。実は最もコスパが良い項目です。
W点の主な加点項目
| 項目 | 加点 |
|---|---|
| 建退共加入 | +15点 |
| 退職金制度 | +15点 |
| 法定外労災 | +15点 |
| 健康保険・厚生年金加入 | 加入で評価 |
| 雇用保険加入 | 加入で評価 |
| 防災協定締結 | +20点 |
| 営業継続年数 | 年数で加点 |
| CCUS活用 | +15点(直近全工事) |
| 監査の受審 | +20点 |
| 公認会計士等数 | 人数で加点 |
| 研究開発費 | 売上比率で加点 |
W点3点セットで+21点(実質)
建退共・退職金・法定外労災の3点セット導入でW点+21点(=P点+3.15点)。
- 加入費用:年間数十万円
- 経審P点:3.15点上昇
- ランクアップ可能性:高い
W点が一番コスパいいんですね
年数十万円の投資で経審P点+3点超え。これは技術職員加点(1人5点・年間数百万人件費)と比較しても抜群にコスパが高い
加点戦略の優先順位|コスパランキング

経審加点のコスパランキングを整理します。
コスパTOP10
| 順位 | 施策 | 加点 | コスト | コスパ |
|---|---|---|---|---|
| 🥇 | 建退共加入 | W+15 | 年30-50万 | ◎ |
| 🥇 | 法定外労災 | W+15 | 年20-50万 | ◎ |
| 🥇 | 退職金制度 | W+15 | 年30-100万 | ◎ |
| 🥈 | 防災協定締結 | W+20 | 行政交渉のみ | ◎◎ |
| 🥈 | CCUS全工事導入 | W+15 | 登録費用のみ | ◎ |
| 🥈 | 監理技術者講習 | Z+1/人 | 1-3万/人 | ◎ |
| 🥉 | 監査の受審 | W+20 | 年200万〜 | △ |
| – | 1級資格取得支援 | Z+5/人 | 数十万〜 | ○ |
| – | 増資 | X2 | 自己資本増加 | △ |
| – | 完工高振替 | X1 | 戦略のみ | ○ |
攻略の正しい順番
“` Phase 1(最優先・即効性):W点3点セット + CCUS + 防災協定 → +50点(=P点+7.5点)
Phase 2(中期・1年):技術職員加点・監理技術者講習 → +10-30点
Phase 3(長期・3-5年):完工高拡大・自己資本拡大 → +20-50点 “`
CCUS登録の影響|W点+15点の威力
CCUS(建設キャリアアップシステム)登録はW点で+15点の加点対象です。
CCUS加点ルール
| 条件 | 加点 |
|---|---|
| 直近の公共工事すべてでCCUS導入 | +10点 |
| 上記+民間工事も含めて活用 | +15点 |
→ W点+15点 = P点+2.25点
CCUS登録費用は事業者登録6,000円〜24万円、技能者登録2,500円と小額。コスパは抜群です。
→ 詳細は CCUS登録 完全ガイド もご参照ください。
防災協定の威力|W点+20点
地方自治体との災害協定締結でW点+20点。
防災協定の主なパターン
- 市町村との災害時応援協定
- 建設業協会経由の協定
- 都道府県との緊急協定
取得方法
- 地元建設業協会経由が最速
- 単独で自治体に申請も可(時間かかる)
- 既存協定への加盟枠あり
→ +20点はW点項目の中で最大級。地域貢献にもなる。
よくある失敗5パターン

失敗①:技術職員加点漏れ
監理技術者講習未受講で+1点漏れ×人数分の機会損失。
対策:全1級保有者の講習受講を毎年確認。
失敗②:CCUS導入の半端実施
「一部の工事のみCCUS導入」で+10点しか取れない(全工事+15点取り損ね)。
対策:直近の全工事でCCUS導入を徹底。
失敗③:完工高振替の最適化漏れ
業種別X1点の最適化検討せず、機会損失数百万円。
対策:行政書士に振替シミュレーションを依頼。
失敗④:W点3点セットの未加入
「建退共・退職金・労災」の3点セットに加入せず、最大+45点の機会損失。
対策:3点セットを最優先で導入。
失敗⑤:申請書類の不備
書類30個の中に不備があり、申請が受理されない。
対策:行政書士に書類チェックを依頼。
経審 申請書類30個 チェックリスト
経審の申請には約30種類の書類が必要です。主要項目を整理。
必要書類カテゴリ
| カテゴリ | 主な書類 |
|---|---|
| 法人基本 | 建設業許可通知書・履歴事項全部証明書 |
| 完工高関連 | 工事経歴書・工事契約書・確定申告書 |
| 財務関連 | 決算書(貸借対照表・損益計算書)・税務申告書 |
| 技術職員 | 国家資格証・実務経験証明書・在籍証明 |
| W点(社会性) | 建退共契約者証・退職金共済加入証明・労災加入証明・防災協定書 |
| その他 | 営業所写真・銀行口座情報 |
書類準備の標準フロー
1. 決算後3ヶ月以内に申請書類準備開始 2. 経営状況分析(Y点)を外部機関に依頼(1ヶ月) 3. 経審申請(全書類提出)(2-4週間) 4. 行政審査(1-2ヶ月) 5. 結果通知書受領
経審に関するよくある質問Q&A 15項目
Q1経審は何のために必要?
Q2経審は毎年必要?
Q3経審の費用は?
Q4W点3点セットの加入費用は?
Q5CCUS全工事導入の判定基準は?
Q6防災協定はどうやって締結する?
Q7完工高の業種間振替はいつまでに?
Q8監理技術者講習の有効期限は?
Q91級資格取得支援は何が効果的?
Q10経営状況分析(Y点)の改善期間は?
Q11経審のランクアップで本当に受注増える?
Q12経審結果に不服がある場合は?
Q13建設業許可なしで経審受審できる?
Q14複数業種の経審を同時受審できる?
Q15経審点数アップを業者に依頼する場合の相場は?
まとめ|W点3点セット + CCUS + 防災協定で年+50点

ここまで、経営事項審査の5評価項目・加点戦略の優先順位・W点3点セット・CCUS加点・防災協定・書類30個チェックリストまでを整理しました。
この記事のポイント
- 経審P点は5項目(X1/X2/Y/Z/W)の加重平均
- 攻略はW点3点セット(建退共・退職金・労災)が最コスパ
- CCUS全工事導入で+15点
- 防災協定締結で+20点(最大級)
- Phase 1の優先施策だけで年+50点(P点+7.5点)可能
- 技術職員加点・完工高振替は中長期施策
経審の攻略って、優先順位を整理すれば道筋見えますね
その通り。W点3点セット + CCUS + 防災協定 = P点+7.5点。これは1年で実現可能。本記事のチェックリストを保存版にして、来年度の経審で確実にランクアップを狙ってほしい
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